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契約社員と嘱託社員の違い8つ!働き方や待遇を比較

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契約社員と嘱託社員、雇用形態の選択で迷っていませんか? 給与や雇用期間、正社員登用制度など、両者には8つの違いがあります。 この記事では、契約社員と嘱託社員の特徴や待遇を徹底比較します。 同一労働同一賃金の観点も踏まえ、あなたに合った雇用形態の選び方を解説します。 将来を見据えた選択のために、ぜひ最後までお読みください。

目次

契約社員と嘱託社員の基本的な違いと雇用条件を徹底解説

契約社員と嘱託社員は、どちらも有期雇用契約です。 しかし、雇用目的や待遇には大きな違いがあります。 契約社員は特定業務やプロジェクト遂行を目的とし、正社員登用の可能性もあります。 一方、嘱託社員は定年後再雇用や専門知識を活かした任用が特徴です。 雇用契約期間や更新ルール、正社員との業務内容の違い、定年後再雇用のポイントなど、働き方の特徴を詳しく見ていきましょう。

契約社員と嘱託社員の定義と雇用目的の違い

契約社員と嘱託社員は、同じ有期雇用契約でも雇用目的や採用方針が異なります。 両者の特徴を理解することで、自身のキャリアプランに合った働き方を選択できます。 契約社員は、企業の特定業務や期間限定のプロジェクト遂行を目的に雇用されます。 契約期間は通常6ヶ月から1年で、業務成績や会社の需要に応じて更新可能です。 多くの企業では正社員登用制度があり、長期的なキャリア形成を見据えた働き方として選ばれています。 一方、嘱託社員には主に2つの雇用目的があります。 定年退職後の再雇用制度としての活用と、専門知識や技術を持つ人材の任用です。 豊富な経験とスキルを重視した採用が特徴で、通常1年単位の契約となります。

雇用形態主な雇用目的
契約社員特定業務・プロジェクト遂行、正社員登用を見据えた採用
嘱託社員定年後再雇用、専門知識・技術の活用

雇用契約の期間と更新の基本ルール

契約社員と嘱託社員の雇用契約期間は、労働契約法により原則1年以内と定められています。 契約期間満了時には、双方の合意により更新が可能です。 更新の判断にあたって、企業は以下の基準を総合的に評価します。

  • 業務遂行能力と成果
  • 勤務態度と規律性
  • 会社の業績や経営状況
  • 担当業務の継続性

同一の使用者との間で、有期労働契約が更新されて通算5年を超えると、労働者は無期雇用への転換を申し込むことができます。 この「無期転換ルール」は、雇用の安定性を高めるために2013年の労働契約法改正で導入されました。 契約期間満了時には、会社は契約を更新するかどうかを、満了日の30日前までに書面で通知する必要があります。 これは「雇止め」による労働者の不利益を防ぐための法的要件です。 なお、契約更新の回数に法的な制限はありません。 しかし、更新の上限回数や更新時の条件を労働条件通知書などで明示することが望ましいとされています。

正社員との業務内容や責任範囲の比較

正社員との業務内容や責任範囲を比較すると、契約社員と嘱託社員では違いが見られます。 正社員が会社の基幹業務全般を担当するのに対し、契約社員と嘱託社員は特定の業務や専門分野に特化した役割を担当します。

雇用形態業務範囲と責任
正社員全般的な業務を担当、部門異動や転勤あり
契約社員特定業務に従事、正社員と同等の責任
嘱託社員専門知識を活かした助言・指導が中心

契約社員は正社員と同等の責任を負うケースが多く、業務の質や量も同水準となります。 ただし、契約時に定められた業務範囲内での就業が基本となり、原則として配置転換や転勤は想定されません。 嘱託社員は豊富な経験や専門知識を活かし、若手社員への指導や特定プロジェクトでの助言など、限定的な役割を担います。 業務量は一般的に正社員より少なく設定されるのが特徴です。

定年後再雇用のポイントと活躍の場

定年後の再雇用制度において、多くの企業では60歳定年後、65歳までの継続雇用を実施しています。 厚生労働省の調査によると、企業の約99%が65歳までの雇用確保措置を導入しており、再雇用時は本人の意向と会社の基準に基づく選考が行われます。 再雇用後は、長年培った専門知識や経験を活かし、若手社員の育成や技術指導など、組織の中核を担う役割が期待されます。 特に製造業や建設業では、熟練工としての技能伝承や品質管理の面で重要な戦力となっています。 働き方については、嘱託社員などとして、フルタイム勤務のほか、週3〜4日のパートタイム勤務や短時間正社員制度など、個人の希望や体力に応じた柔軟な勤務形態を選択できる企業が増えています。

雇用形態主な特徴
フルタイム勤務通常の勤務時間で就業、給与水準も比較的高い
パートタイム勤務週3-4日程度の短時間勤務、ワークライフバランスを重視
短時間正社員1日の勤務時間を短縮、福利厚生は正社員に準ずる

契約社員と嘱託社員の8つの待遇の違いをわかりやすく比較

正社員からアルバイトまでの雇用形態を示す文字が入り、5段階に積み上げた積み木

契約社員と嘱託社員では、給与体系や昇給制度、賞与・退職金の支給条件、労働時間、社会保険、有給休暇、福利厚生、人事評価、キャリアパスなど、待遇面で違いがあります。 契約社員は正社員に近い待遇と昇進機会が用意される一方、嘱託社員は定年後の再雇用を主目的とした柔軟な働き方が特徴です。 両者の特性を理解し、自身のキャリアプランに合った雇用形態を選択しましょう。

1. 基本給与の決め方と昇給システム

契約社員と嘱託社員では、基本給与の決定方法と昇給の仕組みが大きく異なります。 契約社員の給与は、職務内容や職位、経験年数などを考慮して決定されます。 多くの企業では、正社員と同様の人事評価制度が適用され、業績や成果に応じた昇給の機会が設けられています。

雇用形態給与体系昇給制度
契約社員職務・経験に応じた給与設定評価による昇給あり
嘱託社員定年前給与の60-70%が基準原則昇給なし

一方、嘱託社員の給与は、定年前の給与水準をベースに一定割合を減額した固定給が一般的です。 厚生労働省の調査によると、定年後再雇用の場合、従前給与の60-70%程度に設定されるケースが多く見られます。 賞与についても、契約社員は業績連動型の支給制度を採用する企業が増えています。 嘱託社員の場合は、定額支給もしくは支給なしとする企業が大半を占めているのが現状です。

2. 賞与・退職金の支給条件と実態

契約社員と嘱託社員では、賞与・退職金の支給条件に大きな違いがあります。 厚生労働省の調査によると、契約社員の賞与支給率は約60%で、支給額は正社員の6~7割程度となっています。

雇用形態賞与の特徴退職金の特徴
契約社員業績連動型が主流 正社員の6~7割程度支給なしが一般的 一部企業で正社員と同等制度あり
嘱託社員定額支給か支給なし再雇用時の規定により異なる 前歴考慮の場合あり

契約社員の賞与は、多くの企業で業績連動型の支給制度を採用しています。 一方、嘱託社員は定額支給か支給なしが一般的です。 退職金については、契約社員は支給されないケースが多いものの、正社員登用を前提とした同等の制度を設ける企業も増えています。 嘱託社員の場合、定年前の勤務実績や再雇用時の規定により、支給条件が個別に設定されることが一般的です。 これらの支給条件は会社規定で明確に定められ、雇用契約時に書面での明示が必須となります。

3. 労働時間と残業の取り扱い方

契約社員と嘱託社員では、労働時間の設定や残業に関する取り扱いに大きな違いがあります。 主な違いを以下の表で確認してみましょう。

雇用形態労働時間残業の取り扱い
契約社員フルタイム勤務(8時間)が基本残業手当は割増賃金で支給
嘱託社員短時間・フレックスなど柔軟な勤務形態原則として残業なし

契約社員は正社員と同様に1日8時間のフルタイム勤務が一般的です。 所定労働時間を超える残業が発生した場合は、労働基準法に基づき割増賃金が支給されます。 嘱託社員は個人の事情や希望に応じて、短時間勤務やフレックスタイム制など柔軟な勤務形態を選択できることが特徴です。 定年後の再雇用が主な目的であることから、残業を想定しない勤務体系となっているケースがほとんどです。 ただし、これらの条件は企業によって異なる場合があります。 雇用契約時に労働時間や残業の取り扱いについて確認することが重要です。

4. 社会保険の加入と保障内容

契約社員と嘱託社員は、社会保険の加入義務や保障内容において基本的な枠組みは共通しています。 両者とも、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の4つの社会保険制度の対象となります。 具体的な加入要件と保障内容を、以下の表で比較してみましょう。

雇用形態加入条件と保障内容
契約社員正社員と同様に全ての社会保険に加入義務あり。給与水準に応じた保険料を労使折半で負担
嘱託社員週20時間以上勤務かつ月額賃金8.8万円以上で加入対象。給与水準により保険料負担額が変動

実際の保険料負担額は給与水準によって異なります。 一般的に給与水準が高い契約社員の方が、保険料負担も大きくなる傾向にあります。 これは将来の年金受給額にも影響するため、長期的なライフプランを考える上で重要な要素となります。

5. 有給休暇の付与と取得条件

有給休暇の付与は、契約社員も嘱託社員も労働基準法に基づいて同じ基準が適用されます。 両者とも、6ヶ月以上継続して勤務し、全労働日の8割以上を出勤することで、年次有給休暇を取得する権利が発生します。

勤続年数付与日数(法定)
6ヶ月10日
1年6ヶ月11日
2年6ヶ月12日
3年6ヶ月以降段階的に増加(最大20日)

嘱託社員が短時間勤務の場合は、所定労働日数に応じて有給休暇日数が比例付与されます。 例えば週3日勤務の場合、通常の付与日数の6割程度となります。 両者とも、有給休暇の取得にあたって時季指定権を持ちます。 会社側は、事業の正常な運営を妨げる場合を除き、労働者が指定した時季に有給休暇を取得させる義務があります。 また、年5日については会社側から取得時季を指定することが義務付けられています。

6. 福利厚生制度の適用範囲

福利厚生制度の適用範囲は、契約社員と嘱託社員で大きく異なります。 契約社員は正社員に準じた待遇が一般的で、社宅や社員食堂、各種手当など、幅広い福利厚生制度を利用できます。 嘱託社員の場合、定年後の再雇用という性質上、適用される福利厚生制度は限定的になります。 基本的な制度のみが対象となり、定年前と比べて利用できる手当や制度が縮小されるケースが多くみられます。 両者の福利厚生制度の適用範囲を具体的に比較すると、以下のようになります。

福利厚生の種類契約社員嘱託社員
健康診断適用適用
慶弔見舞金適用適用
社宅・寮多くの場合適用原則適用外
レクリエーション適用会社規定による

具体的な適用範囲は企業によって異なります。 入社時に福利厚生制度の詳細を確認することをお勧めします。

7. 人事評価の仕組みと昇進機会

契約社員と嘱託社員では、人事評価の仕組みと昇進機会に大きな違いがあります。 契約社員は正社員に準じた人事評価制度が適用され、定期的な目標設定や評価面談を通じて、キャリアアップの機会が提供されています。 嘱託社員は定年後の再雇用が主な目的です。 通常は昇進・昇格を前提とした評価制度は設けられていません。 現状の職務遂行能力の維持確認が評価の中心となります。

評価項目契約社員嘱託社員
評価制度正社員と同様の目標管理制度現状維持の確認評価
昇進機会昇格・昇進あり原則なし
評価面談定期的に実施必要に応じて実施

契約社員の場合、評価結果は昇給や賞与、正社員登用試験の受験資格にも反映されます。 一方、嘱託社員は既存の経験や能力を活かした職務遂行が求められ、評価は主に業務の継続可否を判断する基準として活用されます。

8. 正社員登用制度とキャリアパス

契約社員と嘱託社員では、キャリアパスの設計に大きな違いがあります。 契約社員には、一定期間の勤務実績と評価に基づく正社員登用制度が整備されているケースが多く見られます。

雇用形態キャリアパスの特徴
契約社員・正社員登用制度あり ・目標管理制度で評価 ・定期的なキャリア面談 ・昇進・昇格の機会あり
嘱託社員・正社員登用制度なし ・現状維持型の業務 ・定年後の再雇用が主目的 ・昇進機会は限定的

契約社員は目標管理制度や定期面談を通じて、正社員と同様のキャリア開発支援を受けられます。 スキルアップや職務範囲の拡大により、正社員への転換を目指すことができます。 一方、嘱託社員は定年後の再雇用が主目的となるため、通常は昇進や正社員登用の制度は設けられていません。 これまでの経験やスキルを活かしながら、より柔軟な働き方を実現する雇用形態として位置づけられています。

同一労働同一賃金の適用で変わる契約社員と嘱託社員の待遇改善

人事担当者に相談するシニアの男性

2020年4月から大企業、2021年4月から中小企業に適用された同一労働同一賃金。 この法改正により、契約社員や嘱託社員の待遇は変わりつつあります。 基本給や賞与から通勤手当、福利厚生まで、正社員との不合理な待遇差は禁止されました。 企業には職務評価制度の導入や賃金体系の見直しが求められ、労働者も待遇改善を求める具体的な方法が整備されています。

同一労働同一賃金で保障される待遇とは

同一労働同一賃金の原則」により、正社員と同様の仕事をする契約社員・嘱託社員に対する待遇差別は禁止されています。 企業は職務内容や責任の程度、職務の内容・配置の変更範囲が同じ場合、基本給や各種手当などで不合理な差をつけることができません。

待遇項目保障される内容
基本給・賞与職務内容や成果に応じた同等の支給
手当関係通勤手当、時間外手当、深夜・休日手当の同等支給
福利厚生食堂、休憩室、更衣室等の利用、慶弔休暇の付与
能力開発教育訓練の機会提供、キャリアアップ支援

労働条件面でも、安全衛生管理や休暇制度などについて合理的な理由のない差別的取扱いは認められません。 これらの待遇について疑問がある場合、労働者は企業に説明を求める権利が法律で保障されています。

不合理な待遇差別の具体的な判断基準

同一労働同一賃金ガイドラインでは、正社員と非正規社員の間の不合理な待遇差を禁止しています。 職務内容や人材活用の仕組みが同じ場合、基本給や賞与における差別的な取り扱いは認められません。

待遇項目判断基準
基本給・賞与職務内容、人材活用の仕組みが同じ場合は同一基準を適用
諸手当通勤手当、時間外手当等は合理的理由がない限り同一支給
福利厚生教育訓練、施設利用、安全管理等は同一条件で提供

待遇差が不合理かどうかの判断は、職務の内容や配置の変更範囲、その他の事情を考慮して個別に行われます。 特に通勤手当や時間外手当などの諸手当については、労働の対価として支払われる性質上、合理的な理由がない限り同一の基準で支給する必要があります。 教育訓練や福利厚生施設の利用、安全管理などの労働条件全般においても、雇用形態による不合理な差別は認められません。 これらの基準に違反する待遇差は、労働契約法第20条に基づき違法となる可能性があります。

企業に求められる待遇改善の取り組み

企業には、同一労働同一賃金の観点から非正規社員の待遇改善に向けた具体的な取り組みが求められています。 厚生労働省の「パートタイム・有期雇用労働法対応のための取組手順書」に基づき、以下の3つの施策を計画的に実施する必要があります。

  • 職務評価制度の導入による業務内容・責任の可視化と、それに基づく公正な賃金体系の構築
  • 福利厚生制度や教育研修機会の正社員との均等な提供、およびキャリアパス制度の整備
  • 基本給・手当・賞与などの待遇差の合理性を検証し、不合理な差がある場合の是正

職務評価制度の導入は、業務の難易度や責任の程度を数値化して可視化できるため、待遇差の合理性を説明する根拠として重要です。 契約社員や嘱託社員のモチベーション向上のため、正社員転換制度の整備や、能力開発機会の提供も効果的な施策となります。 企業は労使で十分な協議を重ねながら、計画的かつ段階的に待遇改善を進めていく必要があります。

待遇改善を求める際の実践的なステップ

待遇改善を求める際は、具体的な根拠と手順に基づいて行動することが重要です。 最初のステップとして、自身の業務内容や責任範囲を詳細に記録し、同じ職場の正社員との比較資料を作成しましょう。

相談と交渉の具体的手順

  • 業務内容、スキル、経験などを具体的に文書化
  • 正社員との業務の違いや待遇差を客観的に整理
  • 同一労働同一賃金ガイドラインに照らし合わせて問題点を特定
  • 人事部門への相談や労働組合を通じた交渉を実施
  • 改善が見られない場合は労働局の相談窓口や弁護士に相談

待遇改善の要請は、感情的な主張ではなく、客観的な事実に基づいて行うことが効果的です。 社内での話し合いで解決できない場合は、都道府県労働局の「総合労働相談コーナー」に相談することができます。 必要に応じて労働組合に加入したり、社外の法律の専門家に相談したりすることも検討しましょう。 粘り強く交渉を続けながら、自身の権利を適切に主張することが大切です。

雇用契約の更新ルールからみる契約社員と嘱託社員の安定性

仕事で会議をしているシニアの男女4人

契約社員と嘱託社員の雇用契約更新には、明確なルールと手続きが定められています。 業務遂行能力や勤務態度などの評価基準をもとに更新判断が行われ、5年以上の継続雇用後は無期雇用契約への転換も可能です。 雇用形態の転換制度も充実し、長期的なキャリア形成の選択肢が広がっています。 更新時のトラブルを防ぐため、評価基準の確認や書面での通知受領など、重要なポイントを押さえておきましょう。

契約更新の判断基準と注意点

契約社員と嘱託社員の契約更新には、法令に基づく明確な基準と手続きが設けられています。 企業は更新判断の基準を書面で明示する必要があり、労働者は自身の権利を正しく理解しておくことが重要です。 契約更新時の主な評価基準について、以下のポイントを確認しましょう。

  • 業務遂行能力(専門性、生産性、目標達成度)
  • 勤務態度(出勤状況、規律遵守、チームワーク)
  • 会社の業績や経営状況
  • 担当業務の継続性

企業には、契約期間満了の30日前までに更新または不更新を書面で通知する義務が課せられています。 口頭での通知は法的効力を持たないため、必ず書面での通知を受け取る必要があります。 労働契約法の規定により、有期雇用契約が5年を超えて継続する場合、労働者は無期雇用契約への転換を申し込むことができます。 この権利を行使するかどうかは労働者の判断に委ねられているため、自身のキャリアプランに応じて検討することをお勧めします。

無期転換ルールを活用した雇用安定化

契約社員と嘱託社員は、2013年の労働契約法改正により導入された無期転換ルールを活用することで、雇用の安定性を高めることができます。 同一の使用者との間で有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合、労働者からの申込みにより無期雇用契約に転換される仕組みです。

無期転換の条件同一企業での有期契約が通算5年超
申込み時期5年経過後いつでも可能
転換後の身分無期雇用社員(正社員とは異なる)

無期転換後は雇用期間の定めがなくなるため、契約更新の不安から解放され、長期的なキャリアプランを立てやすくなります。 ただし、給与や待遇は従来の条件が基本的に継続されます。 企業側は、無期転換申込権が発生する時期を適切に管理し、社内規定の整備や転換後の処遇制度を明確化する必要があります。 労働者の権利を保護しつつ、円滑な制度運用を図ることが求められています。

なお、嘱託社員も無期転換の対象となりますが、退職を迎えた会社で再雇用された場合は、特例により無期転換が認められないケースがありますので注意が必要です。

雇用形態の転換で広がるキャリアの選択肢

近年、雇用形態の転換制度が整備され、契約社員や嘱託社員のキャリアの選択肢が大きく広がっています。 厚生労働省の調査によると、無期転換制度を導入している企業は全体の85%以上に達しています。 特に契約社員の場合、5年以上の継続雇用後に無期雇用契約への転換が可能となり、長期的なキャリアプランを描きやすい環境が整ってきました。 専門性の高い業務に従事する契約社員には、正社員登用制度を設ける企業も増加しています。 定年後の再雇用制度として一般的だった嘱託社員についても、契約社員への転換制度を導入する企業が増えています。 これにより、定年後も専門性を活かした新たなキャリアパスの選択が可能になりました。

雇用形態主な転換制度
契約社員無期雇用転換、正社員登用
嘱託社員契約社員転換、専門職制度

正社員、契約社員、嘱託社員の間で柔軟な雇用形態の移行を認める企業が増加しています。 個人のニーズや状況に応じた多様な働き方の選択が可能です。

トラブル回避のための契約更新時の確認事項

契約更新時のトラブルを未然に防ぐため、確認すべき重要事項をしっかり把握しておく必要があります。 更新の判断基準や通知方法については、法的な保護を受けるためにも正しい手続きを理解しておきましょう。 契約更新に関する重要な確認事項は以下の通りです。

  • 業務遂行能力、勤務態度、会社の業績など、評価項目と判断基準を書面で確認
  • 更新または不更新の判断は必ず書面での通知を受領(口頭のみの通知は法的効力なし)
  • 契約期間満了の30日前までに通知がない場合は、人事部門への確認を実施
  • 更新時の労働条件(給与、勤務時間など)の変更有無を書面で確認
  • 更新回数の上限や無期転換ルールの適用条件を確認

書面での確認・通知は、後のトラブル防止に重要な役割を果たします。 不明な点がある場合は、積極的に人事部門へ確認することをお勧めします。 契約更新の判断に不服がある場合は、労働組合や社外の労働相談窓口に相談することも検討しましょう。 適切な手続きを踏むことで、安定した雇用関係を維持することができます。

まとめ

契約社員と嘱託社員は、雇用形態や待遇面で異なる特徴を持っています。 契約社員は期間の定めのある雇用契約で、正社員登用の可能性があります。 一方、嘱託社員は定年後の再雇用が一般的です。 働き方や待遇を理解し、自身のキャリアプランに合った選択をすることが大切です。 それぞれのメリット・デメリットを踏まえ、自分に適した雇用形態を見極めましょう。

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